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『旧石器考古学』88号が刊行されました

旧石器文化談話会が刊行する学術雑誌『旧石器考古学』、このたび88号が刊行されました。今号には、大学院生の村井さん、鈴木さん、吉田さんが「南ドイツ・フォーゲルヘルト洞窟遺跡の発掘調査とシュヴァーベンジュラ山脈の旧石器時代遺跡」を、上峯が「石材原産地判別群の同定・細分・統合」を投稿しています。

院生らの著作は、彼女らが昨年渡独して参加した発掘調査の体験記です。1ヶ月以上にわたるドイツでの生活を満喫し、ひとまわり頼もしくなって帰ってきました。若い感性が吸収した知識が細かく丁寧に解説されています。上峯の原稿は、当初は国際黒曜石会議2023遠軽大会の参加記として打診されたものの、ただの参加記を書くのもなぁと考え、会への参加を機にはじめた自分の試行錯誤をまとめたものです。遠軽滞在中に採集した資料(瞰望岩周辺)の紹介も兼ねています。

これらの研究成果もご一読頂きたいとは思うものの、今号の目玉は「『ふたがみ』、わが青春の軌跡」でしょう。恩師である松藤和人先生の回顧録です。同じく「小特集『ふたがみ』刊行50周年に寄せて」を飾る先達の文章とともに、胸を熱くさせます。先生の学問への情熱に惚れ込んで、門をくぐったことを再確認しました。先生にとって会にとって記念すべき号となった88号で、教え子たちとともにご一緒できたことを光栄に思います。

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